摘出交感神経節における刺激頻度と薬物効果について
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概要
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摘出ラット上頸交感神経節を用いて,刺激頻度と薬物作用との関係を検討し,次の結果を得た。1.Hexamethonium,d-Tubocurarine,PhysostigmineおよびParaoxon作用下では,神経節伝達抑制作用が低頻度刺激よりも高頻度刺激により増強された。このような薬物効果をType Aとした。2.Adrenaline(Adr.),Nor-Adrenaline(Nor-Adr),MgCl_2,MnCl_2ならびにCa^<++>-deficit Ringer(0.1〜0.4mM CaCl_2)では,低頻度刺激時にみられた抑制効果が高頻度刺激下で著しく回復され,この効果をType Bとした。3.ProcaineおよびPropranolol作用下の抑制効果は,刺激頻度の多少にほとんど影響されなかった。この効果をType Cとした。4.Adr.,Nor-Adr.のType B効果はPhentolamineにより拮抗されたが,ほとんどPropranololの影響をうけなかった。MgCl_2,MnCl_2およびCa^#-deficit効果は,α-,およびβ-効果遮断薬により影響されなかった。5.Type B作用群薬物の効果は,high Ca^<++>-Ringer(9mM CaCl_2)で消失され,low Ca^<++>-Ringer液中で増強された。6.Ringer液中のNa^+およびK^+イオンの増減ならびにOuabain(10μM)はType B効果に影響を与えなかった。7.Sucrose-gap法による実験で,Type B作用群薬物は単発刺激による神経節のspike potentialを消失し,比較的大きなsynaptic potentialを生じた。このsynaptic potentialは,300msec以下の刺激間隔で与えた2発刺激により容易にspike potentialに発展した。また高頻度刺激によっても漸次増大するspike potentialが容易に発生した。8.Type B作用群薬物の作用機構についてとくに神経終末からの伝達物質遊離抑制面から考察した。
- 千葉大学の論文