ニトロフランのナフチリジン誘導体Potassium-1-methyl-1, 4-dihydro-7-〔2-(5-nitro-2-furyl)-vinyl〕-4-oxo-1, 8-naphthyridine-3-carboxylate (NFN)のC3Hマウスに対する発癌性
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概要
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5-ニトロフラン誘導体Potassium-1-methyl-1, 4-dihydro-7-〔2-(5-nitro-2-furyl)-vinyl〕-4-oxo-1, 8-naphthyrididine-3-carboxylate (NFN)をC3Hマウスに投与して発生する腫瘍について検索し,同時にマウスの系統によって同じ発癌物質NFNの発癌性,発癌部位などに相違がみられるかについて検討を行なった。生後6週令のC3H/Heマウス雌35匹をNFN 0.015%添加飼料で30週まで飼育し,ついで薬剤無添加飼料に変え実験開始後41週までに全動物をと殺し剖検した。この経口投与実験で15週以上生存した28匹について組織学的に腫瘍の検索を行なった。その結果,前胃に扁平上皮癌が16例,乳頭腫が6例にみられ,肺には腺腫が7例みられた。さらに,リンパ性白血病が5例に,胃の肉腫が1例にみられた。この成績を従来のICRマウスについての報告と比較すると,前胃の腫瘍はC3Hマウスでは78.6%,ICRマウスでは31.8%〜41.7%でC3Hマウスの方が発生率が高い。それに対して肺の腫瘍ではC3Hマウス25.0%で,ICRマウスの81.8%〜50.0%よりも発生率は低かった。このことは,同じ発癌物質NFNによってC3HマウスとICRマウスとの間に標的臓器に明らかな差があることを示している。また,以上の経口投与実験に併行して投与経路を変えることによって発癌性に変化がみられるかを検討するために,NFNの腹腔内投与および静脈内投与を行なったが,今回の実験方法では両投与群とも腫瘍の発生をみることはできなかった。
- 千葉大学の論文
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