再発性尿路結石 : 再発の因子と再発防止
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概要
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昭和40年1月1日より昭和54年12月31日までの15年間に,千葉大学医学部泌尿器科で,2117例の尿路結石症があり,これは新患総数の5.2%を占め,このうち再発結石と診断されたのは263例12.4%であった。再発結石の男女比は2.8対1,年齢分布は30歳代に最も多く91例,次いで40歳代70例,30〜50歳代で全体の76%を占めた。263例中詳しく経過観察した136例につき検討したところ,初発結石より再発までの期間は1年以内15.4%,2年以内32%,5年以内では70%であった。再発までの期間の平均は5年7カ月。再発部位では同側,対側とも差はなかった。結石成分は蓚酸カルシウム+燐酸カルシウムが最も多く36%,次いで蓚酸カルシウム19%,燐酸カルシウム+燐酸アンモニウム・マグネシウム13%であった。再発結石の原因疾患として,高Ca尿44%,高尿酸尿39%,低P血26%,高尿酸血15%,原発性副甲状腺機能亢進症4%等がみられた。再発結石で高尿酸尿を示す群の尿中Ca排泄量は,対照とした再発でない結石のそれと比較して有意に増加していた。また再発結石中の低P血を示した群の尿中Ca排泄量も対照より有意に増加した。以上のことから再発結石のあるものはいくつもの塩類過排泄がみとめられ,複雑な代謝異常とみなし得た。再発予防効果をみると,高Ca尿症に対するMg剤投与では無効であったが,高尿酸尿症に対するアロプリノール投与と,高Ca症と高尿酸尿症合併症例に対するアロプリノールとMg剤併用療法により,推計学的に有意な再発期間の延長を認めた。
- 千葉大学の論文
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