心筋および骨格筋における筋調節蛋白質の分化
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概要
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心筋および骨格筋における筋調節蛋白質(troponin〔TN〕T,IおよびC)の分化を,間接螢光抗体法を用いて調べた。ニワトリ胚子において,心筋はstage 10(Hamburger-Hamilton)より抗心筋TN抗体のすべて,および抗骨格筋TN-I抗体により染色された。一方,骨格筋はstage 14より抗骨格筋TN抗体のすべて,および抗心筋TN-TとC抗体により染色された。しかし孵化期(stage 45)に近づくと,各筋は他の筋の抗体に対する反応性を消失し,心筋は抗心筋TN抗体のみ,骨格筋は抗骨格筋TN抗体のみで染色されるようになった。以上の結果から,心筋および骨格筋の発生において,各細胞の遣伝子発現機構は変化していることが想像される。すなわち,細胞は初期には心筋および骨格筋の相互に免疫学的に識別不可能な一部の分子を合成しているが,次第にそれぞれの組織に特有な蛋白質を合成するようになる。
- 千葉大学の論文