火入れがススキの茎数に与える影響(II)

概要

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1.新分けつの発生は早春の地上器官の生長開始と同時に始まるが,その最盛期はU区の場合,節間伸長中期から晩秋にかけてであった。しかし火入れ時期が遅い区の分けつ最盛期は,節間伸長開始前または火入れ直後から晩秋にかけてであった。2.U区の5-7月に分けつした茎の基部直径は細く,これらの茎から発生する1次分けつ数は少なかった。しかし火入れ区では,同時期に分けつした茎からの1次分けつ数が増加した。3.火入れ区では,越冬茎から発生する1次分けつ数はU区とほぼ同じであったが,その分けつ時期が早くなった。1次分けつの早期化により,2次以上の高次の分けつの発生が多くなった。4.U区では全分けつ数のうち2次分けつが約1/3を占め,数は少ないが3次分けつが見られた。火入れ時期が遅い区では,2次分けつが全茎の約46-47%,3次分けつは12-17%を占め,4次分けつも約1%あった。5.火入れを行なうと生育旺盛な越冬茎が枯死するために,火入れ区の越冬茎の草丈はU区より低かった。しかし当年茎の草丈は火入れ区の方が高く,特に火入れ時期が遅い区ほど生育末期に分けつする茎の生長が促進された。
日本草地学会の論文
1970-11-29