Helminthosporium sorokinianumによるベルベットグラス,メドウフェスキュおよびライムギの斑点病
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概要
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ベルベットグラス(Holcus lanatus L.),メドウフェスキュ(Festuca elatior L.)およびライムギ(Secale cereale L.)の葉に褐色の斑点を生じて,これを枯らす新しい病気が主として千葉県下に発生した。これらの植物の病斑から得た単胞子分離菌の純粋培養を用い,それぞれの植物に人工接種を行ない,分離菌の病原性を確認した。これら3種の植物の野外の病斑から得た病原菌の分生胞子および分生子梗の形態はほぼ同じであった。そしてこれらはいずれもHelminthosporium sorokinianum Sacc.ex Sorokinに一致した。この報告は野外において,H. sorokinianumがベルベットグラスの葉を侵すことを観察した世界で最初のものであると思われる。なおメドウフェスキュからの菌による人工接種実験においてトールフェスキュ(F. elatior var. arrundinacea Wimm.,Kentucky 31 fescue)はメドウフェスキュよりも,この菌に対して抵抗性を有しているように見受けた。筆をおくにあたり,本稿の周密な校閲を賜わった東京大学農学部教授明日山秀文博士,実験材料をこころよく提供された雪印種苗株式会社千葉農場森山武氏ならびに薄巌氏に心から感謝の言葉を申しあげる。
- 日本草地学会の論文
- 1968-07-20
著者
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