学社融合による地域の歴史を後世に伝える教育教材の開発と生涯学習支援上の課題 --「大潟村歴史かるた」づくりを通して--
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概要
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地域の歴史に親しみ,後世に伝える目的で,博物館の収蔵資料を用い,博物館・地域の生涯学習団体・中学校が学社融合により教育教材としての「大潟村歴史かるた」づくりを実践し,その学習成果のかるたを村内全世帯に配布した.本研究では,かるたの開発・制作の過程を整理し,かるたの特徴を示すとともに,中学校で授業を行った生涯学習団体の学習支援者に実施したかるたづくりについてのアンケート結果により,生涯学習支援上の課題を考察した.その結果,巾大潟村歴史かるたの絵札選定の過程は,他の郷土かるた創作におけるその過程と異なり大きな特色といえること, (2)地域の学習支援者が中学校で円滑に学習支援を行うためには,生徒とのコミュニケーションに工夫が必要であること,(3)かるたを配布しただけでなく,家庭や地域社会で有効活用する手法を検討する必要があること, (4)学校を含めた地域の学習課題解決には,多様な生涯学習団体の連携が有効であること, (5)家庭での学習過程・学習成果の共有は,その家庭における学習課題を考える機会の創出をもたらすこと,が明らかになった.そして,地域社会の学習課題の解決のために,学社融合事業を円滑に進めるにはマネージメントが重要であり,これは学校の教師より生涯学習施設の職員が行うほうが効果的であると考えられた.
- 秋田大学の論文
- 2007-05-31
著者
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