日系ベトナム企業経営の一考察
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概要
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ベトナムに直接投資をしている国は,投資残高で日本,台湾,韓国,シンガポール,香港の5カ国で56%を占める。進出企業数では,日本が400社を超え他の4カ国も数百社規模である。近隣アジア諸国からの外資企業が,駐在員事務所を加えて数千社に上る。政府の統計によれば,外資系企業で起こったストライキ件数は,1995年から2005年7月までの累計で582件あり,内訳は,韓国系企業で172件(30%),台湾系で196件(34%),香港系で13件(2%強)残りのその他は201件(35%)である。同じように多くの投資をしている日系企業では皆無である。多数の企業が進出しながら,日系企業で労使関係がうまくいっているのはどうしてか。その解明が本稿の目的である。筆者自身のベトナム駐在経験と日本型経営に反映される日本人の価値観,日本の文化や社会の成立ちなどの視点から結論を導く。
- 2006-12-20