特発性左室収縮機能障害患者におけるアミノ酸代謝異常に関する臨床的検討
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概要
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【目的】アミノ酸代謝異常が成人発症の特発性拡張型心筋症を呈するとの仮説を検証することを目的に,左室収縮機能障害患者の尿中アミノ酸およびその代謝物24種を測定し,臨床像との相互関係を検討した。【方法】2005年4月から2006年3月までに金沢医科大学病院循環器内科外来において,心エコー検査,心筋シンチグラム,左室造影検査のいずれかで左室収縮機能障害を指摘された患者連続23例を対象に尿中のアミノ酸およびその代謝物24種をガスクロマトグラフ-質量分析計-コンピューターシステムを用いて測定し,肥大型心筋症患者13例,正常対照群33例と比較検討した。【結果】左室収縮機能障害患者23例中11例に,肥大型心筋症患者13例中5例に,正常対照者33例中8例に尿中アミノ酸の高値をそれぞれ認めた。このうち,3-methylglutaconateの高値は左室収縮機能障害患者3例のみに認められ,正常対照群に比し有意に高頻度であった(P<0.05)。3-methylglutaconic aciduria (3MGA)3例は3MGAを認めない左室収縮機能障害群に比べ心筋障害は比較的軽度にとどまっていた。【結論】左室収縮機能障害を認める23例中3例に3-methylglutaconic aciduriaを認め,原因不明の左室収縮機能障害を呈する心筋症患者の中にアミノ酸代謝異常が少なからず存在する可能性が示唆された。
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