FDG集積度,HRCT所見,および血清CEA値による肺腺癌(3cm以下)の術後再発予測
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概要
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【目的】本研究の目的は,術前画像診断(原発巣のFDG集積度,HRCT所見)および術前血清CEA値により肺腺癌(3cm以下)の術後再発を予測しうるか否かを明らかにすることである。【対象と方法】対象は,術前にFDG PETおよびHRCT検査,血清CEA値測定が行われた肺腺癌(3cm以下)標準手術症例75例である。原発巣のFDG集積度は視覚的に縦隔の血中濃度を基準として2群に分類した。HRCT所見はGGOの割合を半定量的に計測し,solid patternとGGO patternの2群に分類した。術前の血清CEA値は20ng/mlを基準として2群に分類した。術後,病理組織学的浸潤性(血管侵襲・リンパ管侵襲・胸膜浸潤)および術後再発と術前画像所見および血清CEA値の関連を統計学的に解析した。【結果】原発巣のFDG集積度・HRCT所見,血清CEA値と浸潤性および術後再発との間には有意な関連が認められた。GGO pattern群では浸潤性と術後再発は認められなかった。また,solid pattern群ではFDG集積度と病理病期分類が独立した予後予測因子であった。さらに,solid patternかつFDG高集積度の症例では血清CEA値20ng/ml以上の群は有意に術後再発率が高かった。【結論】肺腺癌(3cm以下)において原発巣のFDG集積度,HRCT所見,および血清CEA値を組み合わせることにより,術後再発をより高い精度で予測できることが判明した。