日本白色家兎に対する酸化ストレス誘発剤を用いた骨壊死誘発実験
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概要
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目的:ステロイド性骨壊死モデルで従来使用してきた家兎において,酸化ストレス誘発剤を投与することによってステロイド性骨壊死と同部位に骨壊死が発生するかを検討した。対象と方法:体重約3.5kgの雌性日本白色家兎に酸化ストレス誘発剤であるDL-Buthionine-(S,R)-sulfoximineを14日間静脈内投与した群(BSO群)と生理食塩水を14日間静脈内投与した対照群(CTR群)を作製した。各群の家兎は14日経過時に犠牲死とし,H-E染色標本による病理組織学的検討,抗8-OHdGモノクロール抗体を用いた免疫組織学的検討および血液生化学的検討を行った。結果:BSO群では10羽中3羽,30%に骨壊死を認めたのに対し,CTR群で1羽も認めなかった。壊死発生部位は全羽ともステロイド性骨壊死モデルと同部位の大腿骨近位内側骨幹部であった。また,8-OHdGの染色性はBSO群で明らかに亢進しており,陽性細胞率は両群間で有意差を認めた(P<0.05)。血液生化学的検討において,還元型グルタチオンはBSO群において有意に低下していた(P<0.05)。総コレステロール,トリグリセライドの値はBSO群,CTR群間に有意差は認めなかった。結論:骨壊死発生部位はステロイド性骨壊死モデルと同部位であり,生体内酸化ストレスがステロイド性骨壊死の発生原因であることが,強く示唆された。
著者
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