健康な家族機能に対する家族の評価
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概要
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Olsonの家族円環モデルに基づいた「凝集性」「適応性」「コミュニケーション」の3つに関する側面からなる健康な家族機能に対して、家族がどのように認識しているか、健康の評価としての重要性を実際の自分の家族の現実の評価との関係からみた。家族が健康な家族機能として重視する機能が、家族の現状を維持するために重要なのか、あるいは家族の現状に不足しているから重要なのか、家族のもつ健康な家族像と現在の家族機能の状況という観点から、家族のもつ家族像の意味を検討した。その結果、「凝集性」は、家族には現状を維持するための重要な機能として認められやすく、家族のもつ家族像にも反映していることがわかった。それに対し「適応性」は、家族の現状維持よりは現在の家族に不足している機能として認識され、健康な家族像には反映されていなかった。また、現在の家族機能で重視されるものとして、家族成員共通の認識では、凝集性の下位概念である「援助」「忠実心」「心理的安全性」「家族という一体感」「健康管理」は家族の現状維持のために重要であり、凝集性の「分化」とコミュニケーションの「話をする人・話・自分に価値を置く」は現在の家族に欠如しているため重要であるという意味が確認された。家族成員の認識内容の比較では、現在の家族に欠如しているため重要であるとされる内容として、父親は「コミュニケーション」をあげているのに対し、母親と子どもは「コミュニケーション」だけでなく「適応性」もあげているのが特徴であった。
- 仙台白百合女子大学の論文
- 2007-01-31
著者
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