予定の立案と実行に関する検討 : 認知的熟慮性-衝動性の影響
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概要
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本研究では、外的要因の影響が強い「必ずやらなければならないこと」と自分の意志に基づく「できればやりたいこと」とで、予定に対する印象と、予定の実行結果に違いが認められるかどうか検討を行った。また、個人の認知判断傾向である認知的熟慮性-衝動性が、予定の立案・実行に及ぼす影響について併せて検討を行った。大学生を対象に「必ずやらなければならないこと」と「できればやりたいこと」に関する調査を実施し、1週間後の追跡調査で、その実行結果を回答させた。分析の結果、自分の意志に基づく「できればやりたいこと」は、「必ずやらなければならないこと」に比べて、「楽しく」「面倒ではなく」「重要ではない」という楽観的印象で評価されており、記述した予定を全く実行しなかったと回答した者の割合が有意に多かった。認知的熟慮性-熟慮性による影響は、外的要因の影響が強い「必ずやらなければならないこと」において認められ、認知的熟慮性が高い場合は低い場合に比べ、予定をより「重要だ」と評価する一方、予定通りに実行した者の割合は少ないことが示された。