ある「小児病棟ボランティア」のとりくみ
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概要
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小児病棟を訪れて入院児と関わるボランティアがあることを知ったのは,2006年の8月のことである。医療に関わるボランティアに関心を持っていた私は,9月初めインターネットで「小児病棟ボランティア」の語句で検索を行ってみた。検索結果一覧の最初に,あるネット掲示板の「ボランティア募集」のページがあり,東京近郊の総合病院で活動を続ける「あるびれお」(仮名)というグループの参加者募集が載っていた。まず手はじめという気持ちで電話をかけ,代表のTさんに取材を申し込んだところ,「こんな田舎の小さな病院での活動でよろしいのなら,どうぞ」と,思いがけなく快諾をいただいた。以後,Tさんからは提供できる限りの情報がEメールと郵便で寄せられ,私の質問にも懇切に回答を送ってくださった。この出会いはまったくの偶然がもたらしたものだったが,私は彼女を通じて医療に関わるボランティアの一端なりとも学ぶことができると思い,報告をまとめることにした。9月下旬,私は「あるびれお」の活動見学とTさんへのインタビューを行う機会を得た。その後もメール,電話を通じてTさんとの対話,調査は重ねられ,私は「あるびれお」の活動を深く理解することができた。それとともに,この活動を単に「医療に関わるボランティア」と捉えるよりも,小規模ながら「医療への市民参加」の好事例と理解することが適当だと思うようになった。
- 聖路加看護大学の論文
- 2007-03-00