高血圧,糖尿病,血小板機能におけるバゾプレシンVla受容体の役割
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概要
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アルギニンバゾプレシン(AVP)は下垂体から分泌されるペプチドホルモンで,Vla受容体(VlaR)を介して心血管系の制御,グリコーゲン分解,血小板凝集に重要な役割を果たしている.本研究では,VlaRの新たな4個の一塩基多型(-6951G/A,-4112A/T,-3860T/C,-242C/T)と高血圧症,2型糖尿病と血糖レベル,AVPに対する血小板凝集反応との関連を検討した.対象は,青森県内の高血圧症365例と健常対照者255例,2型糖尿病186例と非糖尿病対照者188例,健常若年成人33例である.層別化解析により4多型のうち-6951G/A多型と非肥満者における高血圧との連関が認められた.多変量解析では-6951G/A多型は非肥満者高血圧の独立した危険因子であることが示唆され,高血圧との関連の強いハプロタイプが存在した.2型糖尿病に対しても-6951G/A多型は多変量解析上独立した危険因子と認められ,また,関連の強い2種のハプロタイプ結合が存在した.さらに,健常若年成人における-6951G/A多型の変異型では,野生型のホモよりヘモグロビンAlcが高値であった.一方,AVPによる血小板凝集反応の個体差と4個の一塩基多型とのあいだには関連性が認められなかった,以上の結果から,VlaR-6951G/A多型の変異型では,非肥満者高血圧および2型糖尿病の疾患感受性が高い可能性が示唆された.しかし,検討したこれらのVla受容体遺伝子多型は血小板凝集反応性の遺伝子マーカーにはなりにくいと考えられた.
- 弘前大学の論文
著者
-
保嶋 実
弘前大学医学部附属病院
-
保嶋 実
弘前大学大学院医学研究科臨床検査医学講座
-
庄司 優
弘前大学医学部臨床検査医学
-
庄司 優
弘前大学医学部臨床検査医学講座
-
保嶋 実
弘前大 医 臨床検査医学
-
蔦谷 昭司
弘前大学附属病院検査部
-
杉本 一博
弘前大学大学院医学研究科臨床検査医学講座
-
保嶋 実
宏人会中央クリニック
-
蔦谷 昭司
弘前大学医学部附属病院検査部
-
Hasan Kazi
弘前大学医学部臨床検査医学
-
杉本 一博
弘前大学医学部附属病院検査部
-
保嶋 実
弘前大学医学部臨床検査医学講座
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