汪精衛政権の水利政策 : 安徽省淮河堤修復工事を事例として
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概要
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本稿は日中戦争期,日本軍占領下に成立した汪精衛政権の水利政策について考察したものである。また,安徽省淮河流域で実施された堤防工事に焦点を置き,同政権の水利委員会文書を用いて,考察を進めた。この堤防工事は,1938年の黄河決壊による淮河の水害への対処として実施されたものであったが,労働力不足,軍事作戦などの影響により,うまく進捗していなかったことが明らかになった。しかし,工事の進捗は良くなかったものの,日中戦争開始後,手付かずであった河川の改良に着手した点において,汪精衛政権の水利政策は一定の評価ができるものと考えられる。
- 社団法人中国研究所の論文
- 2007-10-25
著者
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- 柴田哲雄著, 成文堂, 『協力・抵抗・沈黙-汪精衛南京政府のイデオロギーに対する比較史的アプローチ』, 2009年11月刊, 460ページ, 税込8,500円