エキゾチック変形核の殼構造と周期軌道理論(極限における原子核構造の理論,研究会報告)
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概要
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原子核の平均場ポテンシャルとして調和振動子と対極的な模型であるキャビテイ模型により、殼構造の形成機構を周期軌道理論によって解析した。調和振動子模型でみられたsuperdeformationとhyperdeformation、すなわち軸比2:1および3:1での一粒子準位の強い縮退は、現実的なポテンシャルでは弱められ、両者の境界も明確ではなくなる。しかし、これらには半古典論の立場からは明確な定性的差異があり、それは殼構造を形成している周期軌道の種類によって分類することができる。準位密度のフーリエ解析、および停留作用曲線と準位密度との相関から、プロレート超変形殼構造はsuperdeformationは3次元周期軌道(p:2:1)、hyperdeformationは(p:3:1)にそれぞれ関与して形成されるものであることが示された。これらの軌道のかたちは、軸対称調和振動子模型での2:1および3:1変形におけるリサージュ図形と良い対応を示している。この様に、より一般的な観点から超変形状態を分類する処方箋が周期軌道理論により与えられることが分かった。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
- 1998-05-20
著者
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