クォーク模型から導出したYN相互作用の非局所的な性質について(基研2001年度後期研究会「ストレンジネス核物理最前線」,研究会報告)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
この研究は、クォーククラスター模型(QCM)から導出される近距離での斥力芯の性質について、逆散乱問題を応用して調べたものである。特に注目した系は、NN^1S_0とΣN(T=3/2)^3S_1である。QCMの2核子系の位相差を再現するような局所ポテンシャルは短距離部分に強い斥力を持つ。しかし、非局所ポテンシャルが高エネルギー領域で弱まることを反映して、非常に短距離には引力が現れる。ほとんど禁止される状態があるΣN(T=3/2)^3S_1では、この傾向はより顕著である。更に、クォーク間相互作用の各項の寄与を別々に調べた。NN^1S_0チャネルでは、近距離の斥力芯はクォーク間相互作用の核子とデルタ粒子の質量差を導く項に起因し、ΣN(T=3/2)^3S_1チャネルでは、クォーク間に働くPauli-blockingの効果に起因することが明らかになり、後者の系では特に非局所性が重要であることがわかった。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
- 2002-11-20
著者
関連論文
- 23pBC-8 しきい値近くの質量を持つ4クォーク系の性質(23pBC ハドロン構造・相互作用(格子QCD)・エキゾチック系,理論核物理領域)
- 29pSJ-4 正負パリティのバリオン励起状態に対するq^3-poleの寄与(29pSJ ハドロン構造,理論核物理領域)
- 22aYE-13 クォーク模型によるP波の中間子-核子散乱(22aYE 中間子原子核・ハドロン構造,理論核物理領域)
- 21pSD-2 (q^4q^^-)混合を考慮したΛ(1405)(21pSD 実験核物理領域,理論核物理領域合同 ストレンジネス(エキゾチックハドロン),実験核物理領域)
- 27pSJ-3 Diquark 相関を考慮したクォーク模型によるペンタクォーク I(ハドロン構造・反応, 理論核物理)
- クォーク模型から導出したYN相互作用の非局所的な性質について(基研2001年度後期研究会「ストレンジネス核物理最前線」,研究会報告)
- 30aWB-4 Five-quark states in the quark model
- 社会福祉援助技術教育における動画教材の開発について
- 社会福祉援助技術教育における動画教材の開発と評価2 : 車椅子の扱い方
- 社会福祉援助技術教育における動画教材の開発と評価
- The Interaction between H-dibaryons (ハイペロン-核子相互作用とその関連する話題)
- 29a-SB-3 Hダイバリオン間の相互作用
- The Nucleon-H-Particle Interaction in the Quark Model