One-loop renormalization of the heavy-light currents in lattice QCD
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
小林益川行列要素の決定に必要なハドロン遷移行列は格子QCDにより計算可能である。一般に格子QCDで遷移行列を計算する場合、演算子の繰り込みが必要で、特に|V_<ub>|、|V_<ts>|、|V_<tb>|に対してはheavy-light (axial) vectorカレントの繰り込み因子Z_<A_μ>、Z_<V_μ>が必要である。そこでheavy-light (axial) vectorカレントの繰り込み因子Z_<A_μ>、Z_<V_μ>を重いクォークにFermilab作用、軽いクォークにclover作用を用いて1ループレベルで求めた(我々の計算結果は、既に計算されていたmassless極限の値を再現した)。その結果、Fermilab作用のmasslessとstaticをスムーズにつなぐ性質は1ループでも成り立つこと、Fermilab作用を用いると繰り込み係数の質量依存性が小さいこと、またその帰結として〈π|V_μ|B〉/〈π|V_μ|D〉と比をとることで、繰り込みの1ループ補正の大きさを小さくできることが分かった。また今後の課題としては、|V_<cb>|を求めるにはheavy-heavyカレントの繰り込み、|V_<td>|、|V_<td>|を求めるには4フェルミ演算子の繰り込みも必要なので、今後はそれらも計算したい。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
- 2001-06-20