ギニアグラス(Panicum maximum JACQ.)「ナツカゼ」に対する尿素処理が山羊における消化率,窒素出納および血中代謝成分に及ぼす影響
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概要
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ギニアグラス(Panicum maximum JACQ.)「ナツカゼ」に対する尿素処理の栄養価改善効果を明らかにするために,出穂期一番刈り予乾牧草で低水分サイレージと尿素処理牧草を調製し,山羊に単一給与して出納試験を実施すると共に,給与前後の血中代謝成分濃度を測定した。尿素処理は材料草(乾物75.8%)原物当り3.6%の尿素を水に溶かして添加混合し,密封して行った。動物試験は低水分サイレージ区,尿素処理牧草区,さらに低水分サイレージに給与直前,尿素を添加して窒素レベルを尿素処理牧草区と同一にした尿素添加給与区の3試験区を反復のある3×3ラテン方格配置で実施した。1.尿素処理牧草は低水分サイレージに比べて粗蛋白質(CP)が高く(18.0%),NDFは低かった(68.0%)。2.消化率は測定したすべての成分において尿素処理牧草区で高く,特にCP(62.5%)とNDF(63.5%)の消化率は他の2試験区より有意に高くなり,尿素処理によって消化性が改善された。3.尿素処理牧草ではDCP(11.3%),TDN(49.6%)ともに増加した。4.窒素出納は各区ともほぼ平衡を保っていたが,尿素処理牧草区では糞への窒素排泄が増加しており,添加された尿素の一部は処理中に材料草と強く結び付き,消化管内での挙動を共にしていることが示唆された。5.尿素処理牧草区,尿素添加給与区では給与後の血清中アンモニア態窒素が著増したが,給与前は低値に戻っていた。また,尿素処理牧草給与で血中アルブミンが増加したが,血中グルコース,遊離脂肪酸濃度には影響が無かった。
- 日本草地学会の論文
- 1994-04-30
著者
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