スピン擬ギャップとフェルミ液体描像の問題点(基研研究会「強結合超伝導-Pseudogapを中心として-」,研究会報告)
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概要
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高温超伝導体の性質のいくつかは2次元反強磁性臨界点近傍のフェルミ液体理論によって解明されてきた。しかし、モット転移近傍を含めて相図全体の捉え方について十分な合意には至っていない。最大の難問の一つはスピン擬ギャップの形成機構とその役割である。本稿では2つの話題について紹介する.まず最初は、CuNMR法によって見出されたHgBa_2CuO_<4+δ>系(Hg1201 : 単位胞に1枚のCuO_2平面)とHgBa_2CaCu_2O_<6+δ>系(Hg1212 : 単位胞に2枚のCuO_2平面)のスピン擬ギャップ。ここで、Hg1201とHg1212はHgO層の酸素量の増減により不足ドープ域から過剰ドープ域まで電子状態を大きく変化させることが出来る系である.最適組成でHg1201はT_c〜97KをHg1212はT_c〜127 Kを持つ。次に、スピン擬ギャップへの不純物効果としてYBa_2(Cu_<1-x>M_x)_4O_8 (Y1248 : M-Ni, Zn)のCuNQR研究である。
- 物性研究刊行会の論文
- 1999-07-20
著者
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