ガラスと自由エネルギー(非線形数理 冬の学校,講義ノート)
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概要
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仮定の妥当性を軸にガラス転移と相転移を説明する。ガラス転移は、(1)平衡でない、(2)配置が固化する、(3)比熱や圧縮率等の物理量が急に変わる、(4)遅い運動が現れる、という特徴を持ち、これらをすべて説明できる理論があるかどうかが1つの問題意識になる。一方、相転移の標準的な考え方としてランダウ理論があるが、そこでは平衡値が最小になるような滑らかな自由エネルギーの存在が仮定されている。この仮定の妥当性についての理論的な研究は、あまり進んでいない。ガラス転移の研究にも、ランダウ理論と同じように自由エネルギーの存在を仮定する理論があり、自由エネルギーランドスケープ(FEL)描像と言われる。FEL描像は、自由エネルギーの多谷構造によりガラス転移を説明するもので、1つの谷に閉じ込められるのがガラス状態と考える。FEL描像の仮定の妥当性を考えるために、密度汎関数理論を使った自由エネルギーの定義を議論する。
- 2005-04-20
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