複素相空間カオスによるトンネリング機構((3)化学反応、トンネル現象における半古典理論,京大基研短期研究会「量子カオス : 理論と実験の現状」,研究会報告)
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概要
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トンネリングの機構を半古典的観点から理解するさいの,複素相空間カオスの果たす重要な役割について報告する.モデルとして,エネルギー障壁トンネリングを実現する散乱系を考え,波動関数をトンネル軌道(複素古典軌道)を用いて再現した.波動関数を再現するにあたり,実効的に機能する記号力学を複素相空間において構成した.そして各トンネル軌道の波動関数への寄与の大きさを,軌道に割り振られた記号列から見積もった.その結果,膨大な数のトンネル軌道の個々が複素相空間で示す挙動が明らかとなり,またその中から重要な軌道を系統的に選び出すことが可能となった.
- 物性研究刊行会の論文
- 2003-04-20