量子開放系のダイナミクスにおける完全正値性の役割(修士論文(2001年度))
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概要
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量子開放系のダイナミクスに対する一般論に基づいた議論が展開される.そこでは状態を密度行列により特徴付け,状態空間上の1パラメータ写像として量子ダイナミクスが定義される.特にメモリーを引きずらないMarkov過程に着目し,力学的半群に対する考察を行なう.まずはvon Neumann方程式の超演算子と散逸部の超演算子が可換であるクラスと,Pauliマスター方程式,(現象論的)Bloch方程式との関連性が示される.さらに詳細釣り合いの原理が成立することを証明する.続いて,ミクロな立場によるダイナミクスの考察(縮約された力学)から完全正値性に関する議論を行なう.対象系が2準位系である場合,Gorini et al.の緩和時間に対する議論が一般化され,完全正値性を特徴付ける制約が示される.この制約が完全正値性,また縮約された力学に対する実験検証を与える可能性について議論する.また完全正値性と初期相関に関する考察もなされる.
- 物性研究刊行会の論文
- 2002-10-20
著者
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