子育ての意味と人間形成 : M・J・ランゲフェルドとO・F・ボルノーの人間形成論をもとに
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概要
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筆者の研究テーマとする「人間とは何か」の問いに、本論文においては、子育ての意味を考察することから解明の手がかりを得ようと考え論じることにした。まず、ランゲフェルドやボルノーの人間形成論をもとに、子育ての行為を考察したのであるが、子どもを介して、子どもや親やあるいは周囲の人間たちの相互作用を通して、それぞれが人間らしい人間になるといった人間形成過程が明らかになってくる。ランゲフェルドもボルノーも、人間形成過程において、子どもにかかわる人との間に信頼関係が必要であることを説き、そこには人間的な「愛」をそなえていなければならないということが共通の条件となっている。そして、子育ての行為の主体者である親自身が、子どもを介して自分の人生を生き、子育てという行為を経験して自分自身も人間らしく成長し、その経験が人生における「自信」となるということが明らかとなった。このように考えたとき、子育てという行為に対して、親自身の人間らしい高まりを求める過程が、子育ての意味でもあり、それが人間形成へとつながるのである。さらに、この行為が人間社会の中で循環されつつ、質の高い人間形成へと展開し、人間社会が豊かに構築されていくということを明らかにした。
- 2007-03-15
著者
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