糖尿病外来における認知症患者の発見と対応
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概要
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糖尿病も認知症も高齢になるほど罹患率が増加する。高齢化社会の進行につれ糖尿病患者の中で認知症を患う人が増え続けると予想される。有効で安全な糖尿病治療のためには患者の理解力や自己コントロール力などが必要で、認知症患者では療養指導が難しくなる。そこで認知症合併糖尿病患者の症例検討を通して、患者に共通する問題点を考察し認知症疑いの患者を発見する方策を検討した。症例検討では、インスリン治療中患者が認知症を発症した場合に糖尿病コントロールが徐々に悪化する特徴がみられた。認知症疑いの患者を全スタッフが列挙する試みにおいては31人の名前があがり、スクリーニング検査を施行した20例の大半が認知症と診断された。研究対象とした糖尿病外来に通院している患者数は約1, 500人、罹患率から推定される認知症患者数は60人以上となる点を考慮すると、軽症患者がかなり見逃されていることになる。これをいかに発見して診療に役立てるかが今後の課題である。
- 2006-12-30
著者
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山本 通子
医療法人社団糖和会近藤医院:新潟医療福祉大学医療技術学部健康栄養学科
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堀口 ハル子
医療法人社団糖和会近藤医院
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松森 晴美
医療法人社団糖和会近藤医院
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近藤 弘子
医療法人社団糖和会近藤医院
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近藤 甲斐夫
医療法人社団糖和会近藤医院