α1-blockerによる前立腺肥大症治療の効果の予測に関する研究
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概要
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目的: 前立腺肥大症の患者にα1-blocker治療を施行し,どの治療前パラメーターがα1-blockerによる前立腺肥大症の治療効果を予測することにおいて有効か検討をした.対象および方法: 2003年7月から2004年3月までの間に,順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院を受診した前立腺肥大症患者33例を対象とした.α1-blockerとしてはタムスロシンを6例,ナフトピジルを27例に投与した.パラメーターの観察は,治療前1ヵ月以内に年齢,PSA,国際前立腺症状スコアInternational Prostate Symptom Score(I-PSS), QOL score,前立腺体積(PV),前立腺移行領域部体積(TZV),TZ index(TZV/PV),前立腺の膀胱内への突出長(h),前立腺水平断の縦横比.(H/W),最大尿流量(Q max),残尿量を測定した.治療効果の判定には,α1-blocker投与1ヵ月後にI-PSS, QOL score., Q maxの項目を測定した.統計解析は,ロジスティック回帰分析を用いた.また,各パラメーターのROC曲線(Receiver Operation Characteristic : 受信者操作特性)を作成し,至適cut off値を決定した.結果: ロジスティック回帰分析でh,H/W,TZ indexが治療効果予測に有意な結果が得られた.ROC曲線から求めたh,H/W,TZ indexの至適cut off値は,それぞれ.5.4, 0.66, 0.41であった.結論: 前立腺肥大症のα1-blockerの治療効果予測にh,H/W,TZ indexは有効であると考えらた.
- 順天堂大学の論文
- 2007-03-31
著者
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