皮膚悪性腫瘍(皮膚の健康-皮膚をいかに若々しく保つか-)
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概要
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ヒトの皮膚は様々な種類の細胞から構成されており,皮膚に発生する腫瘍も構成細胞に応じて多岐にわたっている.ここでは,多くの皮膚腫瘍,悪性腫瘍の中でも,悪性度が高く,日常特に注意したい悪性黒色腫についてのべる.悪性黒色腫は俗にホクロのがん,といわれ,メラニン色素を産生する細胞であるメラノサイトのがん化したものである.悪性黒色腫の発生する原因や出来ないようにするための予防策はわかっていない.従って,早期発見,早期治療が最も大切である.悪性黒色腫の診断には,ある程度熟練した専門医の眼が必要であるが,最近ではデルモスコープと呼ばれる拡大鏡による観察が臨床診断に有用となりつつある.最終的な確定診断は生検による病理組織診断による.悪性黒色腫は増殖,転移しやすい腫瘍のため,腫瘍の一部に針を入れる部分生検は基本的に行わず,出来るだけ全体を切り取る全切生検をおこなう.悪性黒色腫は臨床的に4つの病型(悪性黒子型,表在拡大型,結節型,末端黒子型)に分類することが出来るが,日本人に最も多いタイプは末端黒子型,増殖の速い結節型,顔面に多い悪性黒子型など,それぞれに特徴をそなえている.悪性黒色腫の治療は,手術療法が基本であり,補助治療として化学療法が位置づけられる.放射線療法は効果が少なく,転移による症状緩和など,限られた状況以外は一般には行われない.手術療法や化学療法は腫瘍の進行度,いわゆるステージによって標準治療が推奨されており,それに従って治療を行う施設がほとんどである.
- 順天堂大学の論文
- 2006-09-30
著者
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