魯迅の描く「人」と届かない「声」,そして法(<特集>法の変革-希望としての法原理を求めて)
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概要
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現代社会におけるあるべき秩序の形成に大きな役割を担う法が, その根源的価値を何とすべきかが, 今まさに問われている.この課題を考えるために, 一つには, 秩序が人と人の間の関係を保つ意味を持つものであることから, そもそも「人」とは如何なるものかを問うことが必要となる.そしてもう一つには, 近年, 社会を覆う近代法のシステムの下で, その枠に収まらない人々の声が多様な形で吹き出してきていることから, 「近代法」の検討も必要になる.そこでこれらの検討を行なったところ, 複雑且つ多面的な人を前提として, 近代法が無意識のうちに切り捨てたものを汲み上げる法のあり方を考える必要性が感じられた.それとともに人が他者との関係性の中に生きていると考えられることから, 近代法の再考のために共同体の意義の検討の必要性が, さらなる課題として浮かび上がったのである.
- 2007-02-20