消費者法における消費者概念
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概要
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消費者問題は、生産者と消費者との取引に関連して発生する諸問題のことであるが、つい最近まで問題として意識されることがなかった。生産と対比して消費が語られたのは、ヨーロッパでは16世紀から18世紀頃のことである。そして、18世紀に入り、経済学によって消費が定義されるに至った。大量生産・大量消費の時代の出現によって、商品の生産・販売に力を注いでいる事業者と、事業者が提供する様々な商品をただ買うだけの個人である消費者とでは、商品に対する知識・能力に差があり、情報の非対称性があるため、取引の祭の交渉力などに格段の差が生じることになる。消費者問題の発生要因は、このような状況の中から出てきたと言える。「消費者は弱者」とばかりに、生産者側を何でもかんでも法律で縛れば取引の円滑さが消滅してしまうことになる。取引が健全に行われる上から、消費者の権利を守るためには、消費者自身も権利の裏返しに自己責任あることを認識しなければならないと思われる。本論は、消費者契約法の成立までの行政・立法の対応に関する課題を取り上げ、消費者契約法成立に伴う消費者権利について言及を加えたものである
- 東海学園大学の論文
- 2007-03-31