生活保護世帯における女性就労の特徴について
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概要
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現在の生活保護世帯において, 自立支援の対象とされる貧困女性の就労の特徴について, 母子世帯と母子以外世帯に分類して, 調査分析を行った。はじめに, 基本的な特徴を概観し, つぎに, 対象者の属する世帯についても分析を行った。それらを基礎として, 就労の実態とどのような関連が見られるのかについて分析・考察を行った。自立支援の対象者であるが, 母子以外世帯では年齢が高く, 健康状態が健康以外の者が多く含まれていることから, 就労できない要因として年齢と健康状態は影響していることを指摘した。一方, 母子世帯の者は, 多くが健康で十分な就労をしているにも関わらず, 保護基準以下の収入にしか結びついていない貧困状態であることを指摘した。また, どちらの世帯にも共通して, 世帯員の看護や介護, 母子世帯には育児という問題が, 就労する上での大きな制約となっていることを, 世帯員の状況の分析から明らかにした。これらの結果から, 貧困女性が抱える問題は, さまざまな要因が重なり合っていること, その要因としては, 年齢, 健康状態, 本人が含まれる世帯の世帯員の状況が考えられ, それらが世帯全体の個々の条件やそれぞれの要因の現れ方は異なるものの, 就労する上での阻害要因として作用していることを指摘した。
- 川村学園女子大学の論文
- 2007-03-15