2004年度の税制改正が福祉に及ぼす影響
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概要
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2004年5月に厚生労働省が公表した「社会保障の給付と負担の見通し」によると,経済社会情勢や制度改正など不確定要素があるものの,社会保障給付費は2004年度の86兆円から2025年度には152兆円に増加すると見込まれている.そして,将来にわたり持続可能で安定的・効率的な社会保障制度の構築を図るためには,世代間・世代内の給付と負担の公平化,公的給付費の伸びの抑制を図り,社会保障制度の構造改革を進めていくことが必要であるとされている.こうした中で2004年度の税制改正が行われたが,その狙いは,従来から批判の強かった高齢者の優遇税制を見直し,高齢者に応分の負担を求めるものである.この改正は,税の分野では世代間の公平化を図るものであるが,税制上の規定を施策の適用基準に準用している福祉の分野では,福祉水準の事実上の切り下げに繋がり,低所得者の多くが影響を受ける.
- 2007-03-31