精神看護学実習指導の検討 : 学生の記述による学びの分析から
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概要
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本研究は,精神看護学実習における学生の学びを把握することで,教員の指導方法について検討し,今後の実習指導の課題を明らかにすることを目的とした.対象は,本学看護学科3年生46名,前期の精神看護学実習終了後の「精神看護学実習で学んだこと」の記録をデータとして学びの内容分析を行った.その結果,22のサブカテゴリーと,10のカテゴリーが抽出された.そのうち「精神医療・治療の実際」「他者理解に向けた手段」「自己理解・自己洞察」「看護観・障害者観」「看護の役割の実際」「自己と他者との関係及び,相互作用」のカテゴリーはいずれも50%以上の記述があった.最も記述件数が低かったのは,「患者の権利と人権」「疾患・症状の理解」であり,次いで「ソーシャルサポート」「看護の展開」であった.また,教員が期待する対象の生活背景,処遇に関する患者の心理面の記述はなかった.これらの内容分析から,(1)自分の感情を表出し自己を受容できる(2)実習に対する不安や精神障害者に対する偏見を軽減する(3)生活者として患者を捉えられる(4)地域精神医療,社会復帰支援の学びを深めるなどの,指導目標と指導課題が示唆された.
- 2006-12-06