身体に関する現代的な言説のカルチュラル・スタディーズ的研究
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概要
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本稿は,「言語論的転回」以降,カルチュラル・スタディーズを含む社会科学のフィールドで力を持つ「構築主義(constructionism)」に半ば賛同しつつ,そのアンチ実在論的スタンスに対し,身体という問題領域から疑問を投げかける。むしろ構築主義は拡張され,言説が物質的次元に至るまで構築することを記述するべきではないか。また,実在の身体と言説の相互交通的な関係のダイナミズムが,実際の現実を構成していることを従来の構築主義が隠蔽する恐れを指摘する。本稿は,こうした方法論に基づき,今日の欧米型消費社会,およびグローバリゼーションによるその世界的展開において,身体についての多元的な言説が身体的な現実をいかに構築してゆくかを明らかにする。「多元的自己」に対応するよう身体も複数の<意味>を生きるよう強いられている。これは単に表層に留まらず,身体性の深層にまで影響を持つ。ホメオスタシス・フィードバック,解離,変性意識状態といったターミノロジーとの接合により,今日の文化状況に向けて発信する。
- 千葉商科大学の論文
- 2006-06-30
著者
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