『ベーオウルフ』における「フロースガール王の説教」の意図は何か
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
古英語叙事詩『ベーオウルフ』は8世紀中ごろイングランドで成立したと見られる、北欧を舞台に英雄ベーオウルフの生涯を物語った、ヨーロッパ語での最初の叙事詩である。前半は、今はなきイェーアタス国の若き英雄ベーオウルフが隣掴デネ(デンマーク)の宮廷を12年間悩まし続ける怪物グレンデル退治に向かい、これを首尾よく退治し、わが子の復讐に来襲し廷臣を連れ去った母親も、その湖底の棲家に赴いて退治する。(後半は50年後、故国の王となったベーオウルフが国土を焼き払う火龍と対決し、若武者の助太刀でこれを退治するも、自らも致命傷を負って死ぬ。)本論の「フロースガール王の説教」は前半のクライマックスをなすもので、怪物の湖底の棲家からグレンデルの首級と、彼らの毒血で刃が熔けてなくなった、巨人の作なる刀の柄を戦勝記念に持ち帰ったベーオウルフに、彼を迎えたデンマークの老賢王のフロースガールが垂れる説教の意図を以下に考察した。重々しい述べ方と内容によって、王としての威厳を保つためのものであったとの結論に達した。
- 2007-05-30
著者
関連論文
- 『ベーオウルフ』における「フロースガール王の説教」の意図は何か
- 英語差別用語の基礎的研究(2) : 人種差別用語Jap(s)を中心に
- 『オックスフォード英語大辞典』(OED)で『欽定英訳聖書』(AV, 1611)を読む : owe,ought,ownの意味・用法・歴史
- 英語差別用語の基礎的研究(1) : 性差別語
- 4. Grendelは怨霊だった : Beowulfの怪物への新たな視点(研究発表第十四室,日本英文学会第75回大会報告,雑録)