怒りについての青年期の心理的特徴 : "Y"の事例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ある男子青年を対象とし、Sprangerの了解的方法に則り、とらわれの絡む怒りについての青年期の心理的特徴の探求に当たった。(1)いじめの屈辱にとらわれての認識と怒りの衝動が入り組み、短絡的ではあるが、目的性や計画性を帯びる認識や行動傾向、そして、感情的爆発・暴発、その後の、とらわれの絡む怒りや強くとらわれた認識や行動が探求された。(2)とらわれの絡む怒りの機序 対人関係を処理する社会的スキルにかける傾向にあり、自立の過渡期に強い内外の圧力が加わり、個人的価値体系・自立性の発達や強まる自意識、"中心化"の傾向が絡み、その圧力にとらわれ、怒りを募らせていった。そして、自立の柱ともなるべき事柄において悲観し、自暴自棄傾向を強めていった。(3)とらわれの絡む怒りの消失化における機序 彼との意思の疎通、彼の訴えること、心を受け止め、彼を支えたこと、価値を追求する方向でのキャリアデザインにおける主体的、個性的自分づくりの手伝いが、とらわれの絡む怒りの消失化に大きく役立ったと言えよう。
- 2006-12-28
著者
関連論文
- PA021 無差別的殺意の生起と抑制に深くかかわる青年期の心理的特徴 : ある女子青年の場合
- 家族への殺意における青年期の心理的特徴 : 姉に殺意を抱く男子青年Aの場合
- K243 青年期におけるとらわれの内包と外延について : 女子青年の場合(口頭セッション41 パーソナリティ1)
- PA09 不登校・家庭内暴力を乗り越えた若者 : 不登校・家庭内暴力の意味と自分づくり
- いじめっ子への復讐を駆り立てる自尊心のひび
- 怒りについての青年期の心理的特徴 : "Y"の事例
- PH1-14 悩みやその乗り越えにおける青年期の心理的特徴 : 悩みの軌跡を分析し,葛藤を乗り越えようとする女子青年Aの場合(発達)
- PA022 ある青年の悩みと自分づくりにおける青年期の心理的特徴 : 進路・宗教・対人関係のことで悩む青年の事例
- PE029 幼児期に父親に虐待された女子青年の自分づくり(ポスター発表E,研究発表)
- PA93 母親に殺意を抱く女子青年 : 殺意発生と殺意消失化における機序の探求と指導(臨床,ポスター発表A)
- 苦悩を乗り越え主体的、個性的自分づくりを進める若者 : いじめっ子への殺意、復讐の問い直しと自分づくり
- PE01 無差別的殺意を抱く若者 : 手記を中心に
- 母親からの独立 : 性格の発達における偏りと心理的葛藤
- 精神的自立の衝動的側面及び論理的側面
- 精神的自立の過渡期に苦悩する若者の理解と指導(2) : 苦悩する若者の理解と指導の方略 : (1)方略の構築
- 青年期における精神的自立と親への対立に関する研究
- PB008 男として同性を愛し、教師を目指す男子大学生 : アイデンティティの確立していく過程(ポスター発表B,研究発表)