造骨性転移を伴いPDGF陽性であった肺腺癌の1例
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概要
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症例は65歳,女性.右肺上葉に3.5cm大の腺癌があり,多発性の骨,肺転移を伴っていた.前頭骨腫大部分を生検し,病理組織学的に検討した.検体の骨および周囲の硝子化を示す線維化巣内に,N/C比の高い異型細胞が索状,管腔状,浸潤性に増殖しており,肺腺癌の転移と診断された.免疫組織化学的にPDGF(Platelet Derived Growth Factor),TGFβ(Transforming Growth Factor)の検討を行った.腫瘍細胞の胞体にPDGFの陽性所見が認められたが,TGFβは陰性であった.PDGFは造骨性細胞の増殖を剌激し,腫瘍細胞の転移先での増殖を促進する効果があると考えられている.肺腺癌の造骨性転移にもPDGFが関与している可能性が示唆された.
- 日本肺癌学会の論文
- 1998-06-20
著者
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