新規殺菌剤オリサストロビンの毒性概略
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概要
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オリサストロビンは稲の主要病害菌に有効な殺菌剤である.急性毒性は中程度であり,皮膚刺激性,眼刺激性および皮膚感作性はみられなかった.ラットおよびマウスの慢性毒性試験で,十二指腸において鉄イオン吸収増加に伴う上皮の増殖が,またラット慢性毒性試験の雄で,甲状腺において甲状腺ホルモン合成促進による濾胞細胞増殖がみられ,腫瘍発生率の増加につながった.それらはいずれも二次的な,適応変化であり,また可逆的な変化であった.以上のような変化はその作用機序が明確な閾値を示す可逆的なものであり, in vivoでの変異原性はなく,ラットの甲状腺刺激ホルモン増加に対する反応の過敏性を考慮すると,オリサストロビンのヒトに対するがん原性リスクを示すものではないと考えられる.また,本剤は生殖に及ぼす選択的な毒性はみられなかった. ADI (1日許容摂取量)は,ラット慢性毒性試験での無毒性量である100ppm (5.2mg/kg/日)を根拠として,安全係数100で除した0.052/kg/日であった.
- 日本農薬学会の論文
- 2007-08-20
著者
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大澤 正樹
Department Of Experimental Toxicology And Ecology
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van RAVENZWAAY
Department of Experimental Toxicology and Ecology
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秋山 仁子
Regulatory Toxicology Department, Development & Registration Division, BASF Agro Japan Ltd.
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LANDSIEDEL Robert
Department of Experimental Toxicology and Ecology
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KIECZKA Heinz
Department of Experimental Toxicology and Ecology
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CUNHA Georgia
Department of Experimental Toxicology and Ecology
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SCHNEIDER Steffen
Department of Experimental Toxicology and Ecology
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KASPERS Uwe
Department of Experimental Toxicology and Ecology
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KAUFMANN Wolfgang
Department of Experimental Toxicology and Ecology
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秋山 仁子
Regulatory Toxicology Department Development & Registration Division Basf Agro Japan Ltd.