「怨」に囚われた張愛玲 : 「同学少年都不賎」の「欠点」をめぐって
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概要
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2004年2月,張愛玲の遺作,1970年代半ばに書かれた中編小説の「同学少年都不賎」が世に出された。張愛玲自身が「大きな欠点がある」と判断し,投げ出されたこの小説は,彼女の傑作と評価される「紅〓瑰與白〓瑰」,「金鎖記」を超えないまでも,渡米後の張愛玲の著作を代表する重要な作品である。本論は,彼女が言うこの作品の「欠点」の所在,そしてなぜその欠点が生じたのかという理由を追究し,そこから張愛玲の「慈悲」から「怨」までの長い道のりを検証し,移民後の彼女の心の葛藤が,いかにその小説創作に影響したかを究明する試みである。
- 2007-07-25
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