数回にわたり血漿交換を必要としたABO血液型不適合生体腎移植の1例
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概要
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長崎県における初のABO血液型不適合生体腎移植を経験したので報告する。症例は30歳男性,平成15年6月血液透析導入。血液型はO型で,ドナーの母親はA型,抗A抗体価は256倍であった。移植前8日前より免疫抑制療法を開始し,また同日より二重膜濾過血漿交換(DFPP)を4回行なったが,抗A抗体価は128倍であったため,術前2日前より全血血漿交換を2回行なって抗A抗体価は4倍まで低下したため,平成16年7月28日,腹腔鏡下脾摘出術,生体腎移植術を施行,術後の免疫抑制療法は4剤併用で行った。術直後より尿流出あり,透析離脱。術後7日目に急性拒絶反応が起きたものの,血漿交換,ステロイドパルス,デオキシスパーガリン(DSG)にて改善し,半年経過した現在,腎機能良好である。血液型不適合生体腎移植は生体腎移植の約10-15%を占めており,ドナーの不足する日本においても有効な腎移植の手段と考えられた。
著者
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