養育者の表情認知構造の検討(1) : 「表情刺激」開発の試み(「実・仮想空間の知覚・認知」及び一般)
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概要
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養育者の表情認知構造を探るために,まず「乳児の表情認知検査」の開発を試みた.「乳児の表情写真」を採取し,「明確な表情刺激」と「曖昧な表情刺激」を選定し,乳児の表情に対する養育者の認知特性を測定する尺度を作成した.この「乳児の表情認知検査」を用いて,実際に養育者の表情認知特性を測定するとともに,「ストレス耐性」及び「ストレス反応」を測定し,乳児の表情に対する認知特性と,「ストレス耐性」,「ストレス反応」それぞれとの関連性を検討した.その結果,「乳児の曖昧な表情刺激」に対して「嫌悪」として解釈しやすい傾向と,「ストレス耐性」の3因子のうちの「社会的気安さ」と「家族に対する信頼」との間には有意な正の相関が示され,「ストレス反応」の7因子中の1因子「引きこもり」との間に有意な負の相関が示された.次いで,「成人の表情認知検査」の開発を試みた.今後,「乳児の表情刺激」に対する認知特性と「成人の表情刺激」に対するそれとの比較検討を行い,養育者の表情認知構造をさらに明らかにすることを目的としている.
- 2007-06-21