ニッコウオオズミの再発見とその分類の再検討
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概要
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浅見輿七博士がMalus baccataの新変種var. nikkoensisとして記載したニッコウオオズミと思われる植物を,日光中禅寺湖畔において再発見した.この植物に関して,原記載においてエゾノコリンゴ(M. baccata var. mandshurica)との識別形質とされた萼裂片の形態および葉の鋸歯の形状を中心に再検討した結果,独立な変種としては扱えず,エゾノコリンゴに含めるべきであると結論した.また,本州におけるエゾノコリンゴの分布についても検討し,日光の個体群は北東北,中部いずれの分布域からも離れた隔離個体群であることが判明した.この集団の現存株数は60株ほどであり,実生・稚樹等の更新も殆ど行われておらず,今後の存続が懸念される.
- 日本植物分類学会の論文
- 2004-08-31