中間赤外線分光観測で探るHerbig Ae/Be型星星周シリケイトダスト(<特集>物質科学的研究・観測的研究で探る惑星系の誕生と進化)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
我々は,すばる望遠鏡COMICSで独自に観測した11天体を含む計58天体のHerbig Ae/Be型星について中間赤外線Nバンド(8-13μm)のスペクトルを集め,ダストフィーチャーからダスト成分分解を行い,シリケイトダストのサイズ・結晶性について調べた.その結果,星周シリケイトダストのサイズ分布は中心星の質量光度および年齢と相関があることが分かった.サブミクロンサイズの小さなダストが豊富な大質量・高光度の天体が欠落しているという観測的傾向は,原始惑星系円盤の表層におけるダストサイズ分布が,中心星からの放射圧に影響される可能性があることを示唆する.一方,シリケイトの結晶性については中心星のパラメーターとの相関は見られなかった.年齢の観点で見れば,中心星の年齢が0.5Myr(=0.5×10^6年)よりも若い天体でもすでに数10%の結晶化度を示すものが見られた.これは,ダストの結晶化プロセスがより若い段階で進んでいることを示唆する.
- 日本惑星科学会の論文
- 2007-06-25
著者
関連論文
- 研究ニュース
- すばるによる中間赤外線観測で見えてきた惑星形成の現場 (特集 系外惑星研究の展開(1))
- 中間赤外線分光観測で探るHerbig Ae/Be型星星周シリケイトダスト(物質科学的研究・観測的研究で探る惑星系の誕生と進化)
- 日本天文学会 早川幸男基金による渡航報告書 : The 9th Asian-Pacific Regional IAU Meeting (APRIM 2005)
- すばるによる中間赤外線観測で見えてきた惑星形成の現場
- 224 AB Aur原始惑星系円盤のpre-transitional disk的性質(オーラルセッション6 観測)