幻の日本人「戦犯」釈放計画と周恩来 : 中華人民共和国外交部档案をてがかりに
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
中華人民共和国の対日戦犯処理は,処刑者や無期徒刑者を一人も出さなかったことから,連合国の対日戦犯処理に比して,極めて寛大であったと評価されている。このような中国の対日戦犯処理政策は,中国共産党(以下,中共と略す)の伝統的な革命的人道主義に由来し,さらには将来における友好的な両国関係の構築を目指した当時の中国政府指導者の深謀遠慮が反映されていたとされる。だが,国交不在であった1950年代の日中間においては,日本人「戦犯」問題が「外交カード」として利用されたと観察される事例も数多く存在していた。本稿は,近年公開が進む中国外交部档案の分析を通じて,当時の中国外交の主宰者であった周恩来が,対日外交遂行上,日本人「戦犯」問題をいかに認識していたのかを解明しようとしたものである。
- 社団法人中国研究所の論文
- 2007-06-25
著者
関連論文
- 幻の日本人「戦犯」釈放計画と周恩来 : 中華人民共和国外交部档案をてがかりに
- 王偉彬著, ミネルヴァ書房, 『中国と日本の外交政策-1950年代を中心にみた国交正常化へのプロセス』, 2004年2月, 240頁, 5000円+税