情報セキュリティに関する取り組みについての最新動向(<特集>セキュリティとトラスト)
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概要
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これまで情報セキュリティの分野は,暗号学と混同されることが多く,特に暗号は軍事的応用に関連して発展してきた歴史的経緯や高度な数学を必要とすることから,一般に知られることは少なかった.結果として,つい最近まで一般の人々が情報セキュリティに関する十分な知識や意識を持つ機会は少なかった.しかしながら昨今ではこの状況は大きく異なってきている.誰もが,インターネットへ接続するだけで,脅威やその対策についての理解の有無にかかわらず様々なセキュリティリスクに直面するようになっている.その結果,セキュリティ工学(Security Engineering)と呼ばれる分野は,純粋な技術分野から人間的要素そして政策などを総合的に考慮しなければならない分野に変化している.この論文では,利便性を備えたセキュリティ,ピアツーピアネットワークのセキュリティ,情報家電のセキュリティなどの分野における研究の概要を説明し,進化するセキュリティエ学の実践的な研究事例を紹介する.特に安全なシステムデザインの過程において人間の振る舞いなどを考慮することがどのように技術的な解決策に制約を与えるかなど,技術以外の要素を考慮することの重要性について述べる.
- 2007-06-15
著者
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武田 圭史
カーネギーメロン大学日本校
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CHRISTIN Nicolas
カーネギーメロン大学日本校
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PISHVA Davar
カーネギーメロン大学日本校
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武田 圭史
カーネギーメロン大学大学院情報セキュリティ研究科
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Christin Nicolas
カーネギーメロン大学日本校:カーネギーメロン大学情報ネットワーク研究所