体外受精における胚移植時の芍薬甘草湯併用による妊娠率改善効果についての検討
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概要
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体外受精-胚移植は難治性不妊に対して広く行われている治療である。しかし,胚移植時の子宮収縮が治療効果に悪影響を与えるという報告がある。そこで今回われわれは,平滑筋収縮抑制効果が期待できる芍薬甘草湯を胚移植時に併用し,体外受精-胚移植の成績が向上するかどうかを検討した。体外受精を行った186症例のうち,体外受精を行った順に1番目〜94番目に対し芍薬甘草湯を胚移植後4日間投与し,95番目〜186番目に対しては何も投与しなかった。また二つの群において年齢や移植胚数および胚質,黄体機能など臨床的背景に有意な差はなかった。芍薬甘草湯を投与した群と非投与群とで胚移植あたりの妊娠率を比較したところ投与群は33.0%だったのに対し非投与群は20.7%となり,両群間に有意な差が認められた。しかし,本研究結束を説明する正確なメカニズムは不明である。したがって,さらに症例数を増やし,胚移植時の芍薬甘草湯の効果を検討していく必要がある。
- 2007-05-20
著者
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