生物学の遠隔教育におけるインターネットの活用
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概要
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近年、教育の分野においては若年人口の減少と平均余命の延長、さらに多様な人生観を受けて生涯教育の必要性が叫ばれ、これらの働く人たちの生涯教育を支えるために時間や距離に縛られない教育手段として遠隔教育が重要性を増しつつある。一方、ポストゲノム(シークエンス)時代を迎え遺伝子工学、組替え作物、遺伝子治療、再生医療といった分野での目覚しい発展に伴い、教養としての生物学の知識が広く求められている。しかし、遠隔教育で生物学を学ぶ上で2つの問題点が考えられる。一つは、進展著しい分野で最新の情報を得る事の難しさである。特に生物学は専門用語や略語が難解な上に顕微鏡写真等の視覚的な情報が多くあり、これを文字情報だけから得るには限界があることである。次に問題となるのは、生物学は自然科学の一分野であり、高いレベルで内容を理解するには教科書の査読や講義の聴講のみならず、自ら観察や実験などを実践することによって実感される実証的研究要素が望まれることである。ここでは、遠隔教育と生物学の両分野に共通する新しい流れ、すなわちIT(InformationTechnology:情報通信技術)の発達をふまえて、生物学の遠隔教育に利用可能と考えられるインターネット上の種々の情報やデータを提供しているサイトを調査し分類して掲載した。これらのサイトの情報やデータを活用することによって遠隔教育より充実したものにできる可能性があると考えられた。
- 2002-03-29