高脂血症の診断基準
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概要
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2002年の高脂血症診療ガイドラインの変更により高脂血症の診断基準は据え置きになったものの,その管理基準は,より詳しいものとなった。ハイリスク群には,積極的な薬剤治療を,ロウリスク群には,安易な薬剤投与ではなく,ライフスタイルの改善が大切であることが示されている。また,数々の介入試験の結果では,二次予防のための薬剤介入で総死亡率の有意な減少が示されたが,一時予防の薬剤介入試験では,統計的に有意な総死亡率の減少は,残念ながら示されていない。二次予防では総死亡率の改善が証明されているので,冠動脈疾患の既往歴がある人が,抗高脂血症薬を内服しているからといって,さらなる評点を加える必要はない。一時予防で内服している人については,統計的に有意な総死亡率は示されていないものの,薬の副作用による総死亡率の上昇も示されていないので,現在の査定に与える影響は少ない。
- 日本保険医学会の論文
- 2005-12-17