西南日本における強風の再現周期の広域的特徴
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概要
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森林施業に重要である強風の頻度を,西南日本において広域的に把握することを目的とし,32地点で強風の再現周期を推定した。月または年最大瞬間風速の観測頻度分布を対数正規分布で近似し,瞬間風速ごとの再現周期を推定した。Kolmogorov-Smirnov検定および実際の強風の再来間隔平均値との比較の結果,年最大瞬間風速からの推定値が有効であると判断し,強風再現周期の広域的特徴の解析に用いた。瞬間風速30m/s以上の再現周期推定値は,外海に画した沿岸部が内陸および瀬戸内地域よりも小さく,日田を中心とする九州北部の内陸部が強風再現周期の長い一帯である傾向を示した。また,瞬間風速が大きくなると,低緯度ほど再現周期の短くなる傾向が顕著であった。瞬間風速50m/s以上の再現周期推定値は九州では不連続な分布傾向を示し,北緯約32.5度を境に,その南北で20年以上の格差がみられた。森林施業の強風対策に関しては,強風再現周期の広域分布に応じた考え方をすべきで,九州南部・南西諸島と九州北部などでは異なる対策が必要であることを示唆した。
- 日本森林学会の論文
- 2004-05-16
著者
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