利用者による訪問介護評価尺度案の交差妥当性と関連要因の検討
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概要
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訪問介護の質を評価する信頼性と妥当性が検討された満足度尺度をつくるために,援助関係を基本要素とした「利用者による訪問介護評価尺度案」を作成し,その交差妥当性を確かめる2回の調査を行った.各調査の本人回答を基に因子分析を行ったところ,その因子構造は,前の調査結果と同じになり,尺度案の交差妥当性が確かめられた.援助関係に焦点をあてた本尺度案に影響を与える要因を分析したところ,性別,要介護度などの属性より,回答者(本人,家族)の違い,担当制(ヘルパー交替の頻度)の違いによる影響がより大きいことが分かった.身体に障害があると満足度が下がるという先行研究の知見は,回答者と担当制の影響をコントロールすると成立せず,身体介護だけの利用者を抜き出した場合に成立した.訪問介護では,ヘルパーの質だけでなく,交替頻度のような事業所のサービス運営が,満足度に影響することが示唆された.
- 2007-05-31